銀座の高級クラブのママ
更新日:2020年8月5日

★銀座の高級クラブのママ
高級クラブには必ずママと呼ばれる女性がいます。ママが複数いるお店もあります。ママがその店の経営者である場合はオーナーママと呼ばれたりします。オーナーママでない女性はもちろん他の女性よりも経験がありたくさんのお客さんがいる女性がなるお店の顔になる女性です。普通の会社でいえば執行役員といったところでしょうか。高級クラブの中でも特に老舗の有名店のママになることは、日本のクラブの頂点になることを意味するのかもしれません。銀座のママも若いママから銀座歴数十年の重鎮とよばれるママもいます。いろいろなお店のママに会いましたが、共通する点は「オーラ」があることです。銀座の女性ですから皆さんが外見が美しいのはもちろんですが、外見だけではなくなんとも説明の難しい「オーラ」があります。内面からにじみ出る「オーラ」、時には男性にとって危険の女性な「オーラ」を感じる時があります(笑)。これは実際に会っていただく以外に分かってもらう方法はないかもしれません。
★銀座の有名なママとの出会い
どこの高級クラブでもママが定期的に挨拶してくれますが、前にもお話した限り、客は基本的に自分の「係」を選ぶことはできません。従って、そのお店のママが自分の「係」になることは多くありません。私は定期的に飲みにいく銀座の高級クラブは3店舗あったのですが、2店舗目にいったお店は「R」というお店でクライントの社長さんが連れていってくれたお店なのですが、その社長の「係」が店のEママでした。お分かりですね、その後そのお店で私の「係」になる女性です。私はすぐに「S」の係であるMさんに報告しました。Mさんは私にそのEママが銀座でも有名な重鎮ママの一人であることを教えてくれました。そして「まるこさん失礼があったら銀座で呑めなくなるかもね」なんていう冗談か本気かわからないことを言われました。そんなすごいママの客が私のような若造でいいのだろうか。。。
★銀座の重鎮ママから学ぶ
自分の「係」を選ぶことのできない銀座で2店舗目にして銀座の有数のママが私の「係」になってくれたことはラッキーでした。私は「R」に行ってEママの話をするのが楽しみになりました。Eママがどんな女性なのか分かるエピソードをいくつか紹介しようと思います。
ママのお客さん:銀座の高級クラブで何十年もママをやっているのですから、お客さんもすごい方ばかりなのは間違いありません(もちろんどんなお客さんがいるのかは教えてもらうことはできません)。私を「R」に連れて行ってくれた社長さんが、Eママとはかれこれ30年の付き合いだと言っていました。お互いに、「君は昔は美人だったな」「あなたが社長になるとは思っていなかったわ」なんていう冗談を言い合っているのを聞いてこれが銀座の素敵な関係なのだと思いました。30年とは奥さんとの関係よりも長いこともあり、ずっとお互いの人生を見てきているわけです。Eママはいったい何人の人生をみてきたのでしょうか。
銀座の女性として生きていく決断:Eママのお客さんが多いので、いつもお店の営業中はとにかくいろいろなテーブルを行き来して忙しくしています。それでも私がお店に行く日はできる限り、私のテーブルに来てくれました。これは私がEママにも私が銀座歴が1年にも満たないことでいろいろ銀座のことを教えてほしいとお願いしたからだと思います。Eママに結婚をしていないのかと聞いてみたことがあります(今考えると愚問だったかもしれません)。Eママは銀座の女性は多くの恋をするけど、結婚する女性は少ないと教えてくれました。Eママにも本当に好きになった男性がいたそうですが、銀座で一生生きていくと決めたので、結婚をあきらめたそうです。すべての女性にあてはまるとは思いませんが、それだけの覚悟をもって銀座で働いている女性は多くいるのだと気づかされました。
私のお会計:私は自分のクラアイントに誘われて銀座のクラブにいくことは時々ありますが、私が銀座のクラブを仕事の接待で使うことはありません(会社で認められていないためです)。従って、私が個人で銀座のクラブに行く場合は当然自腹となり、お店から領収証をもらうことはありません。私も銀座の高級クラブにいくようになってから会計がどれくらいになるのかは知っていたのですが、「R」での会計はいつも明らかに安くなっていました。ある時、なんだかモヤモヤしていたのでEママにその理由を聞いたことがあります。Eママはこのように説明してくれました。「最近の銀座は客引きが登場したり、キャバクラが多くできたり少し変わってしまった。バブルのころは大手日本企業の接待でも使われていたけど、バブル崩壊後は普通の会社の接待では銀座のクラブは使われなくなった。私は銀座の古き良き文化を守りたいと思っている。まるこさんはまだ若いから、10年後か20年後にまるこさんがこの先偉くなった時に銀座を盛り上げてくれればそれでいいのよ」。私がこのブログを書こうと思ったのもこのEママの言葉がずっと心に残っていたからかもしれません。
結婚式に招待する約束:私は両親を亡くしてから、Eママを人生の先輩として、時には母親のようにいろいろな話をするようになりました。独身である私はある時、Eママに私が結婚したら結婚式に招待してもいいかと聞いことがあります。Eママの返事は「結婚しようと思う女性ができたらお店に連れてきてください。女性を見る目はありますからね。そして結婚しても銀座クラブに行くことを認めてもらうようにお願いしましょう。そういえば不謹慎だけど、私はお客さんのお葬式に多く呼ばれるけど、結婚式に出たことはないかもしれません、楽しみにしています」。私はいまだに伴侶を見つけられずEママとの約束を果たすことができていないことを申し訳なく思っています。
ママの人を見抜く力:銀座のクラブでは「係」が私にいろいろな女性を紹介してくれます。タイプの女性を聞かれたりもしますが、私は基本的に自分から希望を話すことはしません。「R」に何度かいくようになり、Eママは2人の女性を私のテーブルにつけてくれるようになりました。Eママが席につかない時はその2人が私のテーブルについてくれました。私は自分から話をするタイプではなく、会話をリードしてくれる恋愛ではなくお酒の席を楽しめる女性がよいと思っていました。その二人の女性はまさに私のタイプの女性でした。Eママは私の好きなタイプを見抜いていたのかもしれません。ちなみに2人の女性のうちの一人は銀座でも有名な高級クラブのママになり、もう一人の女性は銀座を卒業し結婚して幸せな生活を送っています。私が銀座を嫌いにならないようにお店のエースをつけてくれたのかなとも思ったりします。
誕生日:銀座のクラブの「係」や馴染みの女性の誕生日にはお店でシャンパンやワインでお祝いをするのが一般的です。偶然にも「R」のEママと私の誕生日は一日違いだったので、毎年誕生日に近い日にお店でお祝いをすることにしました。私がシャンパンとちょっとしたプレゼントを持参します。Eママはプレゼントを準備してくれます。驚いたのはEママのくれる誕生日プレゼントです。一流の男になれよというメッセージを理解していますが、毎年高級ブランドの「エルメス」のものをプレゼントしてくれます。ニットセーター、皮の手袋。私は銀座のクラブの「係」の誕生日にはクリスタルというシャンパンを注文することにしています。クリスタルは銀座では特別なシャンパンということではないのですが、会社員の私にはなかなかのお値段なのですが、エルメスの製品の値段も知っていました。私の売り上げからEママの手元に残る金額を考えるとバランスが取れません。私は定期的に「R」にはいっていましたが、決して常連といわれるほどではありませんでした。誕生日だけで考えれば、Eママは赤字ではないかと思います。銀座のママの心意気です。

Have a good life !