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  • 執筆者の写真MARCO

有価証券報告書を使って企業のことを調べよう(三井物産/三菱商事)

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注)この記事は企業研究をするための1つの方法をご案内することを目的にしているため、企業の財務状況には触れていません。また、例示企業は無作為に選択しており、企業の良し悪しについて著者の意見を反映しているものではない点はご了承ください。

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今回も有価証券報告書で企業研究をしてみたいと思います。今回は学生に人気のある総合商社を取り上げてみたいと思います。有名な三井物産と三菱商事はどちらも日本を代表する総合商社ですが、同じ業界の会社を受けるときにどうしてその会社を志望したのかを困るがあるのではないでしょうか。有価証券報告書からそれぞれの会社の特徴を見つけることができるかもしれません。

 まずは金融庁の情報開示システムのEDINETで三井物産と三菱商事の有価証券報告書をチェックします。




★会社沿革

 三井物産も三菱商事も歴史のある総合商社で多くの事業部門を通じて様々なビジネスを行っています。どのような事業に注力していくのはこれから見ていくとして、数あるプロジェクトの中でも会社沿革で紹介されているプロジェクトは社運を賭けた大きなプロジェクトであったと考えられます。ここで紹介されているプロジェクトのことは一通りどのようなプロジェクトなのかを調べてみるのがよいかもしれません。また、現在でも続いているプロジェクトであれば、今でも会社にとって重要な事業である可能性があるので要チェックですね。




★事業の内容

 三井物産も三菱商事もほぼ同じような事業内容になっています。それぞれの事業部門を軸に川上から川下まで包括的にビジネスをカバーするという表現は以前から使われています。三井物産は鉄鋼製品、金属資源、エネルギーというビジネスから事業紹介を始めていますが、三菱商事は生活、モビリティー・インフラ、化学品というビジネスから事業内容を紹介しています。この表現の違いには意味があるのか、注意してみていきたいと思います。また、最近は「モビリティー」という言葉が使われるようになっているのですが、総合商社でのキーワードになっているのでこの点も確認していこうと思います。

 また、国内外の子会社をみてみると、国内の出資企業にはこんな企業に出資しているのかという事実も分かります。出資先の企業からその会社の注力しているビジネスが分かることがあるので深堀りしてみてもよいかもしれません。



★従業員の状況

 それぞれの事業部に所属する従業員の数から、どの事業部に注力しているかが何となく見えて来ます。平均年収が記載されていますが、総合職、一般職、グループ会社の社員など計算のベースが異なる可能性もあるので、だいたいの目安として考えるのがよいかもしれません。



★事業の状況

 このパートは各社のカラーの違いを感じることができます。総合商社に入社すると基本的にはどこかの事業部に所属し、専門性を高めていくことになります。また、海外の語学研修生となり、地域の専門性も高め語学を習得するチャンスもあります。総合商社に入る場合、自分がどの事業部に入ってどこの国で活躍したいのかというイメージをもっておくことが大切です。

 ここには各事業部の事業の実績やこれからの課題、戦略が記載されています。ここは熟読すべき部分だといえます。分からないことは深堀りして調べましょう。それぞれの事業部のビジネスの概要を自分なりに理解し、強く興味がある部分やどうしても分からないところはOB/OGに聞いてみるとよいでしょう。

 個人的な感想ですが、近年のデジタリゼーションやコロナウイルスの影響により、世界のビジネスの在り方が大きく変わっています。どちらの商社からもこれらの変革にうまく対応していく必要があると考えていることが伝わります。自分がその会社の変革に貢献できる人材か考えてみるとよいでしょう。



★中期経営計画

 総合商社に限りませんが、会社は中期経営計画などで会社の将来のビジョンを示しています。三井物産はエネルギーソリューション、ヘルスケアソリューション、アジアの3つがキーワードになっていますね。三菱商事もエネルギーは共通のキーワードのようですが、デジタルフォーメーションという言葉を使っています。

 ビジネスのビジョンのみならず、人材戦略など会社のビジョンが自分に合っているかどうかを考えてみることが大切です。ただ、有価証券報告書から分かることはわずかです。OB/OG訪問やインターンシップなどを通じて、自分自身で会社のことを調べることが大切であることは言うまでもありません。



 筆者にはどちらの総合商社にも多くの知り合いがいます。どちらも素晴らしい会社であることは間違いありませんが、それぞれの会社のビジネスの方向性や社風の違いはあります。就職活動の時点ではどちらも同じ総合商社と考えてしまうかもしれませんが、なぜ、自分がこの会社を選んだのかと明確に言える人の方が魅力的な人材に見えるのではないでしょうか。

これからもいろいろな日本企業のことを調べていきましょう。

Have a good life!

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