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ロシアはウクライナに侵攻するのか?(2022年1月28日時点)

ロシアのウクライナ侵攻の可能性が連日報道されているため多くの日本の知人、友人が心配をしてくれていますが、私はお陰様で元気です。

さて、ロシアがウクライナに軍事侵攻する可能性ですが、現地に住んでいる私が個人的に思っていることをお話ししたいと思います。

結論から言えばロシアがウクライナに侵攻する可能性は高くないと考えています。その可能性は10%もないのではないでしょうか。

ロシアがウクライナに侵攻しない理由

ロシアにとってウクライナが重要な国であったのは間違いありません。ただ、今はそれほどではありません。ロシアは(やり方の是非は別に)すでにクリミアを併合して重要な軍事拠点を守ることに成功しました。また、ロシアは欧州に沢山の天然ガスを供給しているのですが、それらのガスはウクライナを経由して送られていたためウクライナな重要な位置付けになっていました。ウクライナが西側に近づくことになり、ウクライナを経由せずにガスを送ることのできるノルドストリーム2というガスパイプラインを建設、ついに完成させました。これによりウクライナの重要性がぐっと下がりました。ロシアがウクライナに侵攻した場合、欧米からの想定される経済制裁はロシアの経済にも大きなダメージを与える大きなものになると思います。その大きなダメージを覚悟するほど、今のロシアにはウクライナに侵攻するメリットはありません。ロシアに長くいて感じるのですが、プーチン大統領は多くの日本人が考えている以上にスマートです。リーダーとはこうあるべきではないかと感じたりするのは私が日本のリーダーと比較してしまうからかもしれません(リーダーが誰であってもきちんとした国であり続けることができるのは日本の強みでもあります)。

ロシアがウクライナに軍事侵攻する可能性

プーチン大統領が明確に設定しているレッドラインはウクライナのNATO加盟です。可能性は非常に少ないですが、このレッドラインを超えてしまうことがあれば残念な結果になる可能性があります。また、プーチン大統領の凄いところは少々のダメージは承知の上で決めたことを貫く決断をします。ウクライナの東側には親露派の住民はウクライナで良い扱いを受けていない人もいます。ロシアに併合してほしいという人も多く、ロシアにもそういった親露派の人たちを救うべきだという声も少なくありません。ロシアはクリミア併合後、経済危機に陥りました。原油価格下落によりルーブルは暴落、欧米からの経済制裁…。その反省からこの5-6年、ロシア政府は原油などの資源依存から脱却することに注力し、FIFAワールドカップの成功など国は著しく成長しました。金融システムも強化されました。今のロシア中銀のナビウリナ総裁は誰もが認めるほど優秀です。昨今の原油、天然ガス価格の高騰でもロシアは十分にパワーを貯めていますので少々の出費には耐えることができます。プーチン大統領が(正しいかどうかは別に)多少の犠牲を払ってもロシアなりの正義を貫く可能性も完全に否定できません。恐らくウクライナ侵攻により経済が衰退してもロシア国民は政府を批判することはないと考えられます。ロシア人は良くも悪くも「危機慣れ」しているのは日本人の私にはなかなか理解できな部分です。

ここら最近は緊張感が高まっているのは事実ですが、メディアの行き過ぎた報道や情報によるお互いの情報合戦が主な理由だと思います。

最後にどんな理由があっても武力行使は許されるべきではありません。是非、話し合いによる問題解決を心から願っています。



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